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 こと頼り

 

がんになって、

 

泣くとか、わめくとか

 

そんな感情を出せなくなった。

 

 

 

できるだけ普通を装った。

 

本当は

 

どうしていいのかわからないほど

 

ショックを受けていたのに…

 

 

 

気持ちをぶつける人がいなかった。

 

がん患者さんでなければ

 

がんの話など誰も聞きたくないだろう。

 

だから人ではなく、事柄にすがった。

 

 

 

好きと思える趣味を見つけたり、

 

日常の料理を楽しんだり、

 

不安や悩みを

 

どうにか逃がしてきたんだと思う。

 

 

 

人とはなるべく気持ちよく接したい。

 

好きな事柄に頼ることで

 

人に寄り掛からずに済んでいる。

 

頼れる事柄が

 

わたしを守ってくれている。