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 いつのまにか…

 

私ががんの告知を受けた時、

 

ひとり息子は高校生。

 

今、彼は大学生になった。

 

 

 

自宅で二人きりの昼食。

 

あるテレビ番組を見ながら、

 

息子は話し出した。

 

 

 

おそらく大学で学んでいること。

 

専門に加え、

 

彼なりの見解をとうとうと話す。

 

「ここまで大人になったんだ」と

 

私は嬉しくうなずくだけ。

 

 

 

がんの告知を受けた瞬間、

 

真っ先に頭に浮かんだのは

 

息子のこと。

 

がんの怖さよりも、ただ

 

「息子をどうしよう…」だけだった。

 

 

 

私ががんを受け入れる数年間、

 

息子はいつのまにか

 

大人の階段を登りだした。

 

 

 

今の穏やかな時間をありがたく思う。